利き手が麻痺になったら
あなたは右きき?それとも左きき?
脳卒中になると、手・足・口に運動麻痺が生じることがあります。
足の場合は、右足が麻痺なのか、左足が麻痺なのか。
左右が問題になることはあまりありません。
しかし!
手の場合はそうはいきません。
麻痺になった手が、利き手なのか、それともそうでないのか。
これによって、生活の過ごしやすさが変わってくるからです。
利き手が麻痺になった場合
利き手には特有の役割があります。
例えば、お箸や書字、歯磨きなど。いつもと反対の手で行うと急に難しくなります。
- 利き手が麻痺になったら・・・
- 食事中に慣れない反対側の手で食べなければいけないかもしれません
- ちょっとしたことメモしようと思っても、うまく字が書けないかも知しれません
- 歯磨きはいつもより時間がかかり、しっかり磨けないかもしれません
このような場面で、麻痺になった手が利き手なのか、そうでないのかの違いが出てきます。
麻痺になった手が利き手か、そうじゃないかでリハビリの内容は変わる?
ある程度、自分で腕や手が動かせるようになるまでのリハビリは、利き手であろうとそうでなかろうとあまり大きくは変わりません。
しかし、指先の細かい動きや道具を使う練習にまでなってくると、「利き手」か「そうじゃないか」によって、リハビリのメニューは枝分かれしていきます。
麻痺の手が利き手なら、書字や箸といった「利き手特有」の動きの練習を行います。
麻痺の手が利き手ではなかった場合は、書字や箸の練習は必要ありませんので、それよりも「利き手の動きをサポート」するような練習をしていきます。例えば、字を書いている時に「紙をしっかり押さえる」や、箸でご飯を食べる時に「お椀を持ち上げる」などです。
利き手が重度の麻痺になった場合は、利き手交換を検討することも
残念ながら一生懸命にリハビリを行なっても、脳がダメージを受けた部位によっては、手に重度の麻痺が残ることがあります。
利き手に重度な麻痺が残った場合、「利き手交換(ききてこうかん)」を検討することがあります。
これは文字の通り「利き手」の「交換」です。
すなわち、右手が利き手だったなら、今後は左手を生活でメインの手として使っていく。ということです。
もう少し、利き手交換について詳しく説明していきます。
利き手交換
利き手に重度の麻痺が残ると、いろんなことができなくなるかというと、そうではありません。
確かに難しくなることもあります。
しかし、麻痺になっていない手で道具の使い方を練習することで、利き手に重度な麻痺が残ってしまったとしても、反対の手で身の回り動作を始め、いろいろなことができるようになります。
また、職場復帰を目指す方の中には、利き手でなくてもいいので「字が書けるようになりたい」「人と食事をする際に箸で食事ができるようになりたい」といったことを希望される方も少なくはありません。
麻痺によって元通りの動作が行えなくても、違う方法を選択することで、可能になることはたくさんあります。
利き手交換は、これからも「自分らしく」過ごしていくための手段の一つです。
生活で困ったことは相談してみるのがオススメ
もし、麻痺でやりづらい動作があれば担当のセラピストやスタッフに遠慮せず、相談するのがオススメ。
入院中であれば、病院のスタッフに。誰でもいいと思います。リハビリの人でも看護師さんでも。
すでに退院され、在宅生活を行なわれている方は、リハビリを受けているならリハビリの担当に。
少しの不便も、毎日のこととなれば大きな不便です。
リハビリのセラピストも、すべての悩みを解決できるわけではありませんが、専門家だからスムーズに解決できる問題も。
うまく言えなくても大丈夫だと思います。「〇〇の動作がやりづらいんです」の一言で伝わると思います。